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心地良い緊張感

東京では、桜が満開になり、温かい日が増えてきました。3月の稽古もこの日が最後となり、塾生たちにとっては、学年が上がる節目の季節がやってきました。
夏の公演の配役も徐々に決まり、松尾塾は本格的に公演に向けて動き始めています。
先日、鳴物の稽古に田中長十郎先生が塾生の様子を見に来てくださいました。
開塾当初は、「塾生に何から教えればいいのかな…」とおっしゃっていた先生が、久々に1年半稽古を積んだ塾生の成長を見て、「自分が拍子盤を打ってみよう」とおっしゃってくださいました。
塾生の成長を認めていただいたことは、塾生にとっても、日ごろから鳴物の稽古をしてくださっている先生方、塾生を支えている塾長、保護者にとっても、大変嬉しい事でした。
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この日は、長十郎先生が自ら稽古を付けてくださるということで、稽古場は少し緊張した空気の中で一日が始まりました。
長十郎先生が塾生に「きれいな姿勢を意識するように」「小鼓を持っている時にグラグラしない」など、拍子盤を打ちながら、ご指導してくださいました。
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いつもは塾生と、優しく穏やかに接して下さる先生ですが、稽古に入ると表情が一変します。
真剣に塾生と向き合ってくださる先生の姿勢に、塾生も今まで稽古してきたことを、しっかり出せるよう集中して稽古に向かいます。
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無駄な音がない空間で、心地良い緊張感と鳴物の音と掛け声が響き、教える側と教わる側の間に通う美しいものを感じるひと時となりました。