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地道な努力

夏の公演の配役が全て発表され、いよいよ稽古内容も深まってきました。
今年は去年とは異なり、ダブルキャストではないため、お役が決まった喜びの反面、大きな責任感が塾生の中で生まれているのではないでしょうか。
鳴物では、今年は大鼓を打つ塾生が二名います。
大鼓は湿気に弱く、常に乾燥した場所で保管をし、本番前に炙るという、とても繊細な和楽器です。そのため、稽古場では本番前だけ実物を使用し、その他の稽古自は手を使って稽古を重ねています。
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この日の5限目で、本番に向けて、大鼓を打つ塾生の指皮のサイズを確認しました。大鼓はとても皮が固いので指皮をつけて打ち、高い音を出すのです。
その後、塾生全員の前で田中長十郎先生が指皮の作り方を実演してくださいました。
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大鼓の指皮作りは、一ヵ月以上毎日毎日、のりを作り和紙を巻いて自然乾燥させるという地道で繊細な作業です。長十郎先生が、実際にご自身が歌舞伎座で使用している指皮も見せて下さいました。塾生たちの年齢より遥かに永い年月、長十郎先生の指となり、歌舞伎をはじめ、多くの舞台で素晴らしい音を奏でてきたものです。
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長十郎先生のお話を保護者も共に聞き、中には「自分たちで作ってみたい」と、先生からのりを分けていただいたお父さんもいました。
松尾塾は塾生だけでなく、保護者も稽古に対して熱心に取り組んでいます。
また、いつもは賑やかな塾生たちも、静まり返り興味深く先生のお話を聞いていました。
一流の演奏家は楽器で音を奏でるための道具も自分で作り、日々、より良い演奏をするための努力をしていることを学んだのではないでしょうか。
いつか、松尾塾伝統芸能を卒塾した塾生が、先生方のように日本伝統芸能の世界で活躍し、次世代に伝承できる人材になれるよう、沢山のこと吸収して欲しいと感じる稽古日となりました。