秋も深まり、落ち葉がカサカサ音を立てる今日この頃、塾生たちの私服もだんだんと冬仕様になってきました。
さて今回は合方集についてご紹介します。
第五回松尾塾伝統芸能公演、長唄の発表では合方集より「本調子」と「二上がり」を演奏致します。
そもそも「合方」(あいかた)とはどのようなものかと言うと、歌舞伎などの下座音楽(げざおんがく)、長唄において、唄が唄われずに三味線と鳴物だけで演奏される音楽です。
そして、「下座音楽」とは、歌舞伎演出において、舞台上にある黒御簾の中で演奏される効果音として使われる音楽のことを言います。
弦楽器の弦の音律を調えることを『調弦』と言いますが、三味線演奏ではこの『調弦』によって転調することがよくあります。
譜面の途中で「本調子」「二上がり」「三下がり」という言葉が出てくるのは、三味線の調弦(チューニング)で調子を変えている、ということになります。
一・二・三の糸の音の高さの関係を調子といいますが、様々な調子の合わせ方があります。主だったものを紹介しましょう。
「本調子」は三味線の基本となる調子(調弦)です。
「二上がり」は本調子の調弦から、二の糸を全1度あげて作るため、「二上り」と呼ばれます。
「三下がり」は三の糸を下げるので「三下り」と呼ばれます。
以前、稽古場NEWSでもお伝えしましたが、三味線の三本の弦には決まった音程がない為
演奏する塾生たちの耳の感覚が必要となってきます。
公演まで一緒に演奏する塾生みんな心を合わせて、一音、一音正確な音を奏でられるよう稽古に励んでもらいたいです。