公演を終え、松尾塾伝統芸能の稽古がまた新たにスタートいたしました。
約二か月ぶりに、狂言の稽古が二時間ありました。
まず、一人一人謡の稽古です。
三期生は入塾して一年がたったことを機に、他の塾生と足並みを揃えた稽古となりました。中村先生の熱い熱い迫力のある稽古に、圧倒されて頑張り通せるか心配になる場面もありましたが、夏休み気分が残る塾生にとって引き締まった良い稽古となりました。
次に、鳴物の時間。
藤舎千穂先生から、今年の公演についての大切なお話がありました。
「みんな、上手になってることは認めます。でも先生はみんな、もっと出来ると思いました。今年は緊張感がなかったよね。舞台の上では、いつもどんな時でも綺麗な空気でなければいけません。そういう意味では、一回目二回目の公演の方が良い舞台でした。」
「どんなに緊張感を持っても、失敗することがあるのが現実。だから緊張感は常に持って綺麗な空気で舞台に立たなければいけないのです。」
千穂先生のお言葉はズシッと塾生に響いたことでしょう。
お話の後は空気を換えて鳴物の楽器の授業をしてくださいました。楽太鼓の音を鳴らして、「これは何の音でしょう!」とクイズ形式の授業が進みました。
「雷」「雪」「雨」「さざ波」「風」と、昔の人は映像がない中、音で場景を思い描いていたこと、そのためお客様にもお勉強していただくことで歌舞伎、日本舞踊をより楽しく観劇できることを、教えてくださいました。
多くのことをすごい勢いで吸収していく塾生。沢山の知識を吸収する時間となりました。
最後に長唄の時間。
東音山内先生と東音布施田先生が、今季から稽古をスタートする「小鍛冶」「元禄花見踊り」「潮来」「操り三番叟」を演奏してくださいました。先生方が演奏してくださった音を、それぞれ録音して、それを元に自宅でお稽古に励みます。
塾生たちは、これから自分たちが稽古する曲を生で聴いて、イメージできたでしょうか。
また、ここから一年間気持ちを新たに、一生懸命稽古に励んでいきます。