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もう一歩先へ

今週の稽古は全教科通して、同じ内容をご指導されたのかなと思います。

毎週稽古場に通い、休みなく稽古を受けるのは、松尾塾伝統芸能にとっては基本中の基本。最初は慣れることに必死だった塾生達ですが、最近は先生方から「どうすれば教わったことを、自分の芸として身につけられるのか」ということを問いかけられるようになりました。

◎狂言 中村修一先生

中村先生は今回、塾生同士向き合った対話型で稽古を進めてくださいました。役や場面にあわせて必要な表現を引き出すために、お互いの顔を見ながらイメージして台詞を言うためです。

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また、体格や年齢も違う塾生それぞれに合わせて、「もっと高めの声で言ったほうが、君は大きな声が出るかも」と、塾生の可能性を考えながら稽古をつけてくださいました。ご指導を受けると、みんな先ほどよりも大きく伸びのある声が出るようになりました!

中村先生は表現することについて、こんなこともおっしゃいました。

「言葉の持つエネルギーの流れをそのまま出すことは大変だけれども、だんだん快感になってくるといいなと思う」

役になりきり、その演目の内容を十分に表現でき、達成感を味わう日はいつのことでしょうか。早くそんな日が来ますように。

 

◎日本舞踊 花柳美輝風先生

「日本舞踊は振り付けを覚えて完成じゃありません。振り付けは覚えてあたりまえのもの。そこからどうやって上手に踊れるかが大事なのです。」

右と左を間違えている塾生に大人達が助言しようとすると、「なるべく自分で直す力をつけたい」と美輝風先生は塾生自身が正しく出来るまで待ってくださいました。直す力とは自分を客観的に見つめる力ですね。基礎の反復稽古で本当に濃い内容でした。

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◎長唄の山内美穂先生からは

「(三味線が)弾けるようになっても(テンポが)速くならないように」

譜面に書かれた音を並べていくことが目標だった塾生達に、もう一歩先の新たな課題をくださいました。音と音との間も大切にしなくてならない、ただ弾ければ良いのではない・・。表現するということは、奥深く、難しいものですね。塾生達のもう一歩先へ踏み出すための真剣勝負は、まだ始まったばかりです。

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