松尾塾で大切にしていることの一つに、礼儀や挨拶を身につけるということがあります。
朝礼の時、各教科の稽古のはじまりと終わり、そして、人に何かしていただいた時などは大きな声で挨拶をします。
2週間ぶりの稽古となったこの日の朝礼では、塾長から塾生に大切なお話がありました。
「いつものお返事やご挨拶がただの習慣となり、心を込めることを忘れていませんか。稽古に必ず付き添ってくださるご両親、そして稽古中以外でも塾生一人一人のことを考えてくださる先生方へ、日ごろから感謝の気持ちを込めてご挨拶をするように」というお話でした。
松尾塾では、皆が言っているから言う、先生に言いなさいと言われたから言うのではなく、心で想うことが自然と言葉に出るように、塾生の心を育てていきます。
この日は狂言の稽古が2時間続きでありました。長時間正座をしたままの稽古となるので、足のしびれを我慢しながら稽古に励みます。
まず、中村先生から肩に力をいれず、背筋を伸ばす基本的な姿勢を見直すようご指導いただきました。
夏の公演で披露する、「魚説法」のシテ・アドを先生と塾生で役割を決めて稽古しました。
「附子」では、言葉のテンポを大切に、声を大きく出して相手と会話していることを意識するようにとご指導いただきました。「附子」にある「いちだんと良かろう」は、今時の言葉で「いいね!」など、中村先生は塾生にわかりやすく、表現をして教えて下さいます。
普段は使わない言葉を、覚えることは難しいですが、意味を理解することで子供たちの頭にインプットされていきます。
公演まで半年となりました。今年は、日本舞踊・長唄・お囃子とは別に、狂言は単独で能舞台での公演となります。去年とは異なり、より本格的な能舞台での狂言の公演は、演目数も増やし、完成度を追及し稽古にも一段と力が入ります。
塾生は新たな挑戦に昨年以上に気合を入れて稽古に励んでいます。