松尾塾では、公演日が迫り熱い稽古が続いています。22日土曜日には日本舞踊を、24日月曜日・25日火曜日には狂言を、日曜日の稽古に加えて学ぶ機会が設けられました。狂言の補習では万作の会さんの稽古舞台を使用させていただいています。
いつもとは異なる場所へ来たため、集合時には笑顔ではしゃいでいた塾生たちですが、いざ入口に立つと緊張の面持ちに変わっていました。その後、塾生たちの緊張がさらに高まることがおきました。先生方にご挨拶をし、中へ入ると目に入ってくるのは狂言の舞台です。塾生は皆初めて間近で見る舞台に圧倒され、動けなくなっていました。
稽古を始める前に中村修一先生に舞台の説明をしていただきました。「松には神様が宿っているとされている。舞台正面に松があり、神様に自分たちの芸をお見せしている。正面の松が写ったものが後ろの板に描かれている松で、この板を鏡板という。」実際に舞台に上がり、生の体験として学ぶことができました。
説明をしていただき、塾生それぞれの気持ちも盛り上がり、稽古でも内容の濃い時間をすごすことが出来ました。24日は狂言「痺」と連吟「七つ子」を25日は狂言「盆山」と連吟「七つ子」を指導していただきました。「痺」「盆山」の塾生は橋掛りを歩き、演じてみたことで、自分の姿や歩き方、実際の相手との距離を実感しながら修正をすることができていました。また「七つ子」の塾生は個々の所作だけではなく、連吟だからこそ、そろっていることで謡もその前後の所作も美しいものになることを実感できていました。
日本舞踊、狂言、鳴物、長唄すべてが仕上げの段階に入り、どの稽古でも視線について課題が挙げられています。形をできるようにする段階は終わりました。場面を想像し、それを表現することが求められるようになってきたということです。お客様に何を表しているのか分かるように、美しい姿を含めて披露できるように精進していきます。また塾生以上に熱いご指導をして下さる先生方には感謝です。先生方がさしのべて下さる手をしっかりとつかみ、前進しつづけます。