日本列島に強い寒気が入りこみ、厳しい寒さとなった今回の稽古は狂言、鳴物、長唄でした。その中でも2時間続きで行われた狂言では、初めて小舞を教わりました!
狂言の舞台を一度ご覧になられた方はご存知と思いますが、ブリタニカ国際大百科辞典によると、“狂言は対話と所作による劇で、多分に歌、舞、語りなどの要素を含み(以下略)”とあるように、謡の他にも、美しい舞やおもしろい所作など魅力がたくさんあります。
松尾塾伝統芸能のこれまでの狂言の稽古は、4ヶ月間、じっくりと「謡」の基礎を固めるため、狂言小謡「柳の下」でしっかり大きな声が出せるように励み、初めて演目に挑んだ「痺」では、狂言特有の抑揚を身につける為に先生方に丁寧になおしていただきながら、少しずつ狂言の世界を学んでいきました。この他にも、先生方の狂言の舞台に何回も足を運び、本物に触れながらイメージを膨らませてきた塾生も居ます。
しかし、すぐに「小舞」を教わることはできません。最初は『作法』を学ぶことから始まりました。扇の扱い、袴へのさし方など流れるような美しい一貫の動きは、実際やってみるととても難しく、身につくまでには繰り返し稽古が必要だと感じました。
そして「スリ足」「構エ」と体の動きを確認しました。塾生は子供らしく失敗を恐れずどんどん動いていきます。動きのある稽古はとても楽しく、ご指導くださった内藤先生も笑顔で教えてくださいました。
しかし、狂言小謡「柳の下」の冒頭に出てくる狂言の型「左右」を教わった時、明らかに塾生達の体、顔が硬直しました!舞の始めと終わりに多く見られる型だそうですが、扇を動かしながら体の向きを変えて、足も動かして・・。狂言の静かな中にも美しく凛とした流れの動きを実感した稽古でした。
毎週のお稽古にお休みはありませんが、先生方の公演のご都合で狂言のお稽古はしばらくお休みです。「痺」の台詞を覚えることと、今回習った小舞が宿題として出されました。さて、松尾塾伝統芸能の本気度が次の稽古で問われますね。完璧にして、先生を驚かすことが出来たら良いのですが・・!
そして、鳴物では芸に磨きをかける塾生に、今年初めてのお稽古だった藤舎千穂先生より心のこもったお年賀状と、芸能・学問が御神徳の神様で知られる「小野照崎神社」http://onoteru.or.jp/ のお守りを頂戴しました!
この神社は調べたところ、「男はつらいよ」で知られる渥美清さんが願掛けをした神社だそうで、お参りをされた後に「男はつらいよ」の主役の話がきて一大スターになったそうです!ただ、芸を成就するには何かを我慢しなくてはならないらしく、塾生はお菓子?ゲームでしょうか・・? 千穂先生、本当にありがとうございました。大切にして、これからも芸の向上に励みます!