松尾塾伝統芸能の前進「松尾塾子供歌舞伎」の卒塾生で、現在はプロの世界で活躍する4名が8月14日開催の第5回松尾塾伝統芸能記念公演に出演してくださいます。
そこで出演する4名に「松尾塾子供歌舞伎」の思い出や、現在のお仕事になぜ就こうと思ったのかインタビューさせていただきました!
トップバッターは中村翫政さんです。
➀松尾塾子供歌舞伎の思い出
いずれも初舞台(どんどろ大師の場のおつる)の時ですが、1つは舞台で頭とお腹が痛くなり泣きながら舞台を終えて花道に引っ込んで来たとき、先輩である卒塾生がすぐさま抱き抱えて楽屋へ連れて戻って下さった事です。
もう1つは、そのおつるのお稽古の際に泣きじゃくる振りをちょっと遊びの気持ちでやってしまった時に、塾長先生に「ふざけて稽古するならもうやめなさい!!」とこっぴどく叱られた事です。
それ以後、二度とお稽古でふざけることはありませんでした。
➁なぜいまのお仕事についたか
入塾当初、まだ子供なのでしっかりと歌舞伎というものをわかってなかった私ですが、塾長先生のお稽古を通じて、年々歌舞伎の面白さ、義理や人情、仁義忠孝というものを教えて頂き、いつか本物の歌舞伎役者になりたいと夢をみるようになりまして、その気持ちを塾長先生がお汲み取り下さいまして、様々な人のご縁もあり、現在歌舞伎役者として活動させて頂いております。
➂第五回公演への意気込み
日頃、立役を主に勤めさせて頂く事が多い中、愛治郎くんとの体格差やいままでの女方の経験値から団子売のお臼を勤めさせて頂く事になりました。
女方を主に勉強していたとしても、このような大きなお役を勤めさせて頂く事が貴重ですので、この大切な機会を大事に勤めたいと思います。
また、かねてより松尾塾伝統芸能の公演にもなにかご恩返しがしたいという気持ちがありましたので、このような機会を頂戴しましたことが、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
《プロフィール》
中村翫政(なかむら かんせい)
中村鴈治郎一門。 2006年中村翫雀(現 鴈治郎)に入門。国立劇場「元禄忠臣蔵」揚屋の男で初舞台。大阪文化芸術FES2020 歌舞伎特別公演にて「身替座禅」腰元千枝、上方歌舞伎会「熊谷陣屋」源義経、あべの歌舞伎晴の会「肥後駒下駄」松田新蔵、他を務める。2017年名題適任証取得。