公演を終えて何回か稽古に励み、塾生たちも徐々に稽古のリズムを掴み始めたように感じます。
さまざまな年齢の子供が集まる松尾塾では、年齢が上の子が下の子の面倒をみて、稽古だけでなく礼儀作法や上下関係を身に着けています。
松尾塾の稽古場は、常に協調性、責任感、助け合い、自己管理で成り立っています。
今までは全員揃っての稽古を進めてきましたが、1年経って個々の上達にばらつきが出てきました。特に長唄では、身体が小さくて三味線を持つことが難しかった塾生もいたため、9月から3つのグループに分かれ「松の緑」「末広狩」「潮来」をそれぞれ進めています。
グループに分かれ仲間の演奏を聴き、見ることによって、今までに感じなかったこと、気づかなかったことに目を向け、学びに繋がっているのではないでしょうか。
難しい曲を弾く他の塾生を見て、自分ももっと上手く弾けるようになりたいと、自宅に三味線を持ち帰り復習してきた塾生は、自分の課題曲をなんとか最後まで弾けるようになりました。
地道な努力で達成できた出来事は、大きな成長と自信に繋がるはずです。
子供は五感を通して物事を吸収していきます。松尾塾では年齢が下だから身体が小さいからと、自分に対して諦めずに常に100%を追及した稽古に励んでいます。
塾生一人一人がどんな美しい色に染まっていくか、今後が楽しみです。