松尾塾の暑い暑い夏が終わりました。昨年8月28日に開塾し、塾生は正座や姿勢、ご挨拶から学び、本当にまっさらな状態からスタートしました。
1年という短期間で公演を迎えることはたやすいことではなく、「演目をやりきることができるのか。」と塾に関わる皆が焦りを抱いたこともありました。こうした関係者の焦りを、塾生たちは日々の稽古そして公演当日に素晴らしい驚きへと変えていきました。
当日は狂言、日本舞踊、鳴物、長唄を1日で行いました。塾生たちは目まぐるしいスケジュールの中でも、衣裳部屋では衣裳、化粧、かつらをつけた自分の姿に思わずうっとりとしていました。
また舞台袖では年齢の高い塾生を中心に最終確認を互いに行っていました。そんな姿を見た先生方からは「これまでの稽古、自分を信じてしっかり舞台に立ってきなさい」と励ましのお言葉をどの演目でもいただきました。
公演をしたことで、塾生たちはその重み、やり遂げるまでの道のりの大切さを知りました。またその後の達成感も味わうことができ、大きなみのりとなりました。ひたむきに努力を重ね、一人一人が成長をし、松尾塾の初めの歩みを作りました。先生方からは「1年でよくここまで来た」とありがたいお言葉もいただきました。一方、塾生はそれぞれ台詞が詰まってしまった、振りを間違えてしまった、緊張して何が何だかわからないまま終わってしまったなどの反省も多くあったようです。
開塾より1年での公演は厳しい目標であったかもしれません。反省点は数えきれないほどあります。ですが、この課題は今後の松尾塾の活動において大きな財産となりました。現状に満足せず、より高いところを目指し毎年成長を重ねていきます。2年目の活動、公演も温かく見守っていただけると幸いです。