この日は、稽古終了後にかつら合わせの時間が設けられました。
「松尾塾子供歌舞伎」初代塾長の時代から30年以上、松尾塾を支えてくださっている「八木源かつら」さんが、京都から、かつら合わせのため稽古場に来てくださいました。
「松尾塾伝統芸能」の塾生12名分のかつらを、一つ一つ時間をかけて調整してくださいます。かかった時間は4時間半。休むことなく塾生の頭にかつらを載せては、はずして微調整をして、と繰り返しの地道な作業です。そんな中でも、塾生に笑顔で歌舞伎のお話、日本舞踊のお話、かつらの作り方のお話、などをしてくださいました。
昨年は本番当日、慣れないかつらに頭が痛くなる塾生もいました。公演まで約7週間。夏の子供成長はスゴイものがあります。身長はもちろんのこと、頭や足の大きさも成長します。
八木源さんはそんな小さなことも考え、丁寧にかつらを作り、公演当日は、かつらを着けての待ち時間が短くなるように工夫して下さいます。
普段は身軽な浴衣で稽古に挑みますが、公演では、重く動きにくい衣裳を身に着け、重い小道具を持ち、羽二重で締め付けられた頭にはズシッとかつらがのります。
舞台に慣れない塾生は「八木源かつら」さんをはじめ、松竹衣裳さん、松竹小道具さんなど、その道の一流技術者が愛情を持って支えてくださるからこそ、松尾塾は公演の幕を上げられるのです。