「どーん とーん てーん」 と 三下がりに調弦した後、東音塚原勝利先生の声が1ヶ月ぶりに稽古場に響きました。
「次は一の糸の2!(どーん・・と塾生が弾く音)、二の糸の5!(とーん)、三の糸の点2!(てーん)」
知らない方は、これは一体何!?という様な、暗号みたいな名前が先生の口から次々と飛び出ます。今回は、覚えたての三下がりの勘所を三味線の弦を弾いて確かめる稽古でした。勘所が違うと出している音が違うので自分が間違ったことが周囲にも明らかです。
三味線の音名はドレミではありません。松尾塾伝統芸能で使用している楽譜も五線譜のように横書きではなく、縦書き!変に音楽の知識がある大人は難しく感じて、頭がごちゃごちゃになりそうです。
しかし、子ども達はさすがですね。頭が柔らかで、勘が良いです。あっという間に本調子と三下がりの違いも分かったようでした。
習い始めの頃は簡単なことから始めるのかなと思っていましたが、松尾塾は「本物を体得させるのが真の教育」をモットーにしており、子供相手でも手加減しません。最初から本物を習ったほうが周り道をしないで済むからです。
今回の稽古では、長唄の以外の教科でも鍛えられました!
狂言では、一人ずつ順番に「痺」の台詞を言いました。が、次に誰があてられるかはランダム!きちんと台詞を覚えているか確認しながら、稽古が進みました。
「なにとぞして まいりとむないものじゃが」
難しくて、当てられた塾生のほとんどがスラスラ言えませんでした。今回言えなかった塾生は、必ず次回までに完璧に覚えてこなければいけないですね。
「相手が台詞をこんな風に言ったから、自分もそれに合わせてこんな風に言おうと、(相手の声を)耳に馴染ませることが大切」と、中村先生は対話形式の稽古に入った塾生にコツを教えてくださいました。
最後に、狂言「梟山伏」に出てくるフクロウの鳴き声をして見せて下さいましたが、大きく甲高い声は圧巻でした。
鳴物は久しぶりに藤舎清穂先生でした。11、12月は先生方の舞台が多く休講が続いていましたが、雛鶴三番叟の新しいところを教えていただき、みんな頑張って太鼓をたたきました。
先生 さんはい ひゃい
塾生 とろ ひゃい とろ お ひゃい ひゃい とろ おひゃい てれつくつ てんてん
先生 左!
塾生 おー ひゃーい と てれつくつ てんてん
おー ひゃーい と てれつくつ てんてーん
先生 つ
塾生 ほーおー(かついで) いーやーあ
口唱歌を歌いながら、左と右、つけバチなど、分かるまでおさらいしなければなりません。そこへ大きな味方が!
松尾塾にはまだ塾生全員分の楽器がありません。そこで待つ時間もおさらい出来るよう、手作りの練習台を作りました。これで、少しでも長く叩くことができますね。
日本舞踊は、9月からずっと練習してきた「菊づくし」の最後の部分の踊りの振り付けが終わり、最初から最後まで踊れるようになりました。これからもっと踊りこんでいきますが、現時点の塾生の成長した姿をご覧ください。