気温がぐっと上がり強い日差しが照りつけるようになりました。塾生たちも天候の変化に体の疲れを感じてはいるようですが、夏の太陽の力を吸収し心は晴れやかに活き活きと稽古に励んでいます。
本日は朝礼の際に塾長先生からの提案で、一人一人今日の稽古の目標を話しました。「先生方に近づけるように細かな所まで注意をはらう。」「曖昧な部分を確認する。」と個々に目標を挙げていきました。課題を考え、自分の言葉で語ることで、より明確に理想と現状との差を意識したはずです。
狂言では内藤連先生から相手の台詞や動作に合わせるように指導をしていただきました。「順番通りに台詞を言い、動いているだけではいけない。相手の出方に対しての台詞や動きだと考えなくてはいけない。」自分や相手の演じる役の台詞や動きの意味を考えてこそ対話劇としての狂言の面白さが生まれてきます。与えられたものをただこなしていくのではなく、役を追及してお客様に伝わるようにしなくてはなりませんね。
鳴物では、ついに大鼓が演奏に加わりました。以前藤舎清穂先生に大鼓担当塾生の指の型をとっていただき、その型から指皮を作っていただきました。物珍しそうに眺めている塾生たちに、藤舎千穂先生が指皮の原料は和紙と糊で、和紙を裂いて作ることを教えて下さいました。
大鼓を担当する塾生はこれまで手を打って拍子をとり特訓してきましたが、初めて大鼓を打ち、小鼓とは全く異なる鋭く高い音色に興奮していました。これまで重点的にこの塾生を指導して下さってきた藤舎朱音先生は大鼓の持ち方や作法、打ち方を講義後にも熱心に指導して下さいました。構える手順を確認しているときに、「調緒と化粧紐をそろえるのはこの後構えるときにつかめるようにするため。」と理由も聞かせて下さっていました。狂言、日本舞踊、長唄、鳴物どの稽古でもた「なぜか」という理由を考えられるようになると一層の成長ができますね。深く考え芸を磨いていきましょう。