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受賞者の方々
大賞 鳳蘭さん
大賞 | 演劇 | 鳳蘭 | 1979年、宝塚歌劇トップスターを退団後、演劇界で活躍し、2009年度は、「COCO」の主演シャネルをスケールの大きさと風格で好演したほか、「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」の弥生俊役、「屋根の上のヴァイオリン弾き」のゴールデ役で見事な演技を示し、演劇界の振興と発展に貢献した。 |
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優秀賞 | 演劇 | 中村歌六 | 歌舞伎俳優として長年にわたり精進を重ね、近年はとりわけ老け役にすぐれた演技を示し、2009年度は「元禄忠臣蔵」の井関徳兵衛、堀内伝右衛門、「伽羅先代萩」の栄御前、渡辺外記左衛門、「鬼平犯科帳・狐火」瀬戸川の源七、「髪結新三」の弥太五郎源七、「三人吉三巴白浪」の土左衛門伝吉などで舞台を引き締め、いちだんと進境を見せた。 |
優秀賞 | 演劇 | 大竹しのぶ | 商業演劇から新劇まで多くの舞台に出演、並外れた演技力で、魅力あふれるヒロインを演じている。2作目に当たるミュージカル「グレイ・ガーデンズ」で、あのケネディ夫人ジャクリーンの叔母役とその娘の二役で、30年にわたる名家の栄光と没落を演技と歌唱で見事に演じ、ミュージカル女優として新たな一歩を踏み出した。 |
優秀賞 | 邦楽 | 今藤政太郎 | 長唄三味線でいまや熟成の芸境を示している。とくに毎年の「今藤政太郎 邦楽リサイタル」では、古典伝承と新作創造を両輪とした選曲の妙が、聴衆を楽しさの感動に誘いこみ、また伝承・創造の理念を超えて三味線音楽のダイナミズムに挑み続ける姿勢が、高水準の音楽世界を顕現させ、聞く者に深い感銘を与えている。 |
優秀賞 | 演芸 | 藤山新太郎 | 江戸手妻の伝統をしかと継承し、さらに工夫を重ねて現代の奇術として蘇らせる出色のマジシャンである。2009年10月、画期的な手妻「呑馬術」を試みて成功、長年の研究と芸熱心がひとつの結実を示した。また、著作「手妻のはなし」(新潮選書)を刊行、江戸期以来の少ない資料をよく探索し、貴重な演芸図書文献を世に問うた。 |
新人賞 | 舞踊 | 花柳典幸 | 日本舞踊・花柳流の逸材として早くから注目されてきたが、2009年11月、初の自己のリサイタル「花柳典幸の会」に於いて、今まで余り手掛けたことの無い演目、「幻椀久」「靜と知盛」で、恵まれた容姿を活かし、三つの異なる役を演じ、一段の芸の伸長を示し、意欲あふれるリサイタルとした。 |
新人賞 | 邦楽 | 中村仁美 | 雅楽のすぐれた演奏団体である伶楽舎の篳篥奏者として活躍する一方、独奏者として意欲的なリサイタルを度々行い成功している。篳篥は演奏の難しい楽器であるが、それを見事に情感豊かに演奏し、篳篥を独奏楽器に高め、作曲家に新作を委嘱して篳篥の可能性を広げており、今後が大いに期待される。 |
特別賞 | 演劇 | 安井昌二 | 三越劇場での2009年正月・新派公演、北條秀司作「太夫さん」では、戦後激変した島原遊郭で生きる善助の人柄を飄々とした演技で表現、同劇場6月の森本薫作「女の一生」では、ヒロインのけいを秘めやかに思いながら、その思いを抑えて彼女の片腕となる京介を巧みに造型した。永年に亘る新派俳優としての演技が発揮された優れた舞台であった。 |
功労賞 | 音楽 | 原信夫 | 日本を代表するジャズのビックバンド「原信夫とシャープス&フラッツ」を半世紀にわたり主宰し、指揮・作曲・サクソフォン奏者としてジャズ・ポピュラー界に新生面を拓きその第一線で活躍、日本の音楽シーンにジャズを定着させる事に大きく貢献した。2009年バンドのファイナルコンサート全国ツアーを見事に成功させた。 |