今週は早いもので10月最後の稽古、朝は12月初旬の寒さと天気予報であったとおり急に冷え込みました。
そんな中、今回の狂言は中村修一先生に稽古をつけていただきました。
先週「痺(しびり)」の台本が配布され、いよいよ大きな声を出して太郎冠者の言葉を稽古していきます。二句ずつ当てられての部分稽古でしたが抑揚を真似することが難しく、言葉の音の高さに気をとられていると、今度は声を大きく出すことが出来ず苦戦しました。先生は、「私も子供の頃から狂言を習っていたけれど、子供の時は言葉を覚えようとして覚えた記憶がない。反復しているうちに体に入ったかな。音の感覚を良くつかんで、反復することが大事」と教えてくださいました。
そして、物語を良く理解できるように、後半の太郎冠者の足の痺れが取れる場面を、先生は一人芝居のように演じながら解説してくださいました。
題名の「痺」は足の痺れのことで、太郎冠者の仮病がタイトルになっています。しかし正座になれない塾生は解説を聞きながら足が痺れ・・・。先生は笑いながら「みんなのは仮病じゃなく、本当に痺れているね。足をほぐしていいよ~」と、声をかけてくださいました。
劇中、太郎冠者は仮病の足の痺れに「けふ(今日)ばかりは なおってくれい。痺(しびり)よ。痺よ。ほ。」と言います。そうすると、痺れは治り、歩いたり、跳んだり(!)出来るようになるのですが、稽古の頭からずっと正座をされていた先生が太郎冠者のように足に話しかけたあと飛び上がられたので、塾生一同「すごい!」と感動し、思わず真似して飛び上がる塾生もいました。
痺れた足を日本舞踊でしっかり動かした後、今週の鳴物は藤舎朱音先生の初めての稽古でした。
ハロウィンの前日だったので昼食時には、塾長先生から特別にお菓子の差し入れがありました。
ふだんの稽古では見られない塾生達の笑顔がはじけました!
松尾塾伝統芸能は全ての稽古を無遅刻無欠席で真剣に学ばなければいけない修行の場ではありますが、こうして楽しいひととき、人と人との繋がりも大事にしています。おいしいプリン良かったですね!
差し入れをご馳走になって元気になったせいでしょうか、最後の稽古である長唄の稽古はいつもより三味線を支える姿勢が良くなっていました!来週のお稽古も、この姿勢が保たれますように・・。