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平成28年度 助成金交付(個人・団体)

伊東孝夫(いとうたかお)  <工芸技術継承分野>



三味線を作る三絃師(さんげんし)。
素材、技法など限界を追求して培った技術から作られる伊東孝夫氏の三味線は、人間国宝にも愛用されている。
地元大田区の山王会館で子供たち中心の無料三味線教室を20年以上続け、一方では、地域の催しで3000人以上の一般の人たちが三味線に触れる機会をつくるなど、三味線の普及にも努めている。
地域外でも一般社団法人伝統歌舞伎保存会主催の「小学生のための歌舞伎体験教室」に参加し、毎年無料で三味線を貸し出すなどあらゆる方面で献身的な活動を続け、三絃師として「和の手仕事」の文化を未来へ継承すべく三味線の普及活動に力を注いでいる。


松尾芸能振興財団より交付した助成金は
伊東孝夫氏が毎月2回主宰する無料三味線教室の運営費に充当される。

01_03伊藤孝夫小


01_01伊藤孝夫(小)

田島祇園祭屋台歌舞伎保存会(たじまぎおんさいやたいかぶきほぞんかい)<地域の芸能振興分野>



明治の初めに廃止された会津田島祇園祭の子供歌舞伎を復活するため平成4年に創立。
平成6年、110年ぶりに町内から募集した小中学生によって子供歌舞伎が復活し、上演を果たした。
以降、田島祇園祭に限らず毎年、石川県小松市で開催される「全国子供歌舞伎フェスティバルin小松」など県内外で公演も行う。
平成23年より田島小学校3年生の総合学習授業として年間50時間学校内で稽古を続け、毎年12月に開催される「田島祇園祭 屋台歌舞伎特別公演」に出演し、演者のみではなく義太夫・狂言方・笛・太鼓・黒子まで全て小学3年生の子供たちが務めている。
また、田島小学校での歌舞伎授業と同時に保存会内に大人役者部門も設立され、子供役者を引退後も歌舞伎を継続できる環境も整備されている。
現在、保存会では江戸時代実際に田島地方であった百姓一揆を題材にした演目「南山義民の碑」の六場全復刻をめざし、本年も12月に「田島祇園祭 屋台歌舞伎特別公演」で「検見祝の場」を復刻上演予定である。


松尾芸能振興財団より交付した助成金は
「第5回 田島祇園祭歌舞伎 特別公演」の大道具製作費の一部に充当される。

28特別舞台時津風(小)


祇園祭車引3(小)

金曜赤坂座(きんようあかさかざ)<伝統芸能活動分野>



「日本舞踊の神髄は個人芸にある」という考えのもと「日本舞踊ダンサーズネットワーク」によって運営され、年6回から7回行われている公演である。熟練のそして若手の日本舞踊家達が流派の垣根を超えて集まり、古典の継承と新作舞踊、創作舞踊に取り組んでいる。主に赤坂・黛(まゆずみ)アートサロンにおいてサロン公演形式で催され、演者・観客の親密度の高い舞台を一般にも公開し、満席が続いている。
個人の活動を尊重し互いに発展するネットワークを作り、情報の共有や日本舞踊の普及と発展、そしてそれぞれが切磋琢磨する事を目的とする「日本舞踊ダンサーズネットワーク」の主催する金曜赤坂座の形は、邦舞界に新鮮な生命力を吹き込む舞踊家の発信基地となり、その活動は本来の日本の伝統世界に立ち返り日本舞踊自体の良さを伝え残すための啓蒙運動として注目される。


松尾芸能振興財団より交付した助成金は
平成29年に7回行われる「金曜赤坂座公演」舞台費用の一部に充当される。

金曜赤坂座舞台写真2


金曜赤坂座チラシ表(小)