11月に入り、松尾塾では次の公演についての話が具体的になってきました。
演目や配役など、先生方が一人一人の向き不向きや、塾生への期待を込めて、徐々に話が進んでいます。
この日の朝礼と終礼では、塾長から大切なお話がありました。
「松尾塾伝統芸能が開塾して3年目に入り、塾生は稽古慣れてきていませんか。松尾塾の先生方は大変お優しい先生方で、どうにか全員を平等に舞台に立たせてあげたいと考えています。でも、芸の世界は、そんなに優しくありません。努力して努力して、芸を磨き、認められた人しか舞台に立てないのです。松尾塾では、学芸会のように、桃太郎が何人も舞台に立っているようなことはあってはいけないと考えています。」と、この様なお話がありました。
最近、稽古場にも慣れて、公演を終えて気が抜けている塾生へのメッセージだったのではないでしょうか。
その言葉を踏まえて3限目に、塾生全員でDVD鑑賞会をしました。
DVDの内容は、「松尾塾伝統芸能」の前身である「松尾塾子供歌舞伎」がNHKドキュメンタリーで放送していただいた45分間のDVDでした。
DVDの中では、今の塾生の年齢よりも遥かに幼い子が、先生方に厳しく指導、注意されるシーンや、出来ない自分が悔しくて涙を流し、目を擦りながら稽古に励む子供たちの姿が写っていました。
最後に「松尾塾子供歌舞伎」の公演後のインタビューで、小学4年生の塾生が、「今日の舞台は何点だった?」という質問に、
「舞台の出来栄えの点数はわからない。それはお客様がきめることだから。」というシーンが流れました。
今の塾生と同じ年頃の子供たちが、芸に対し、舞台に対して真剣に向き合う姿。
厳しい指導を受け、自分にも常に厳しく、稽古に挑む姿を見て「松尾塾伝統芸能」の塾生は何かを感じたでしょうか。