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お稽古を受けていると、毎回発見があるなと思います。
今回のお稽古で出会った単語は、日本伝統芸能の鍛錬に大切な姿勢が一つに凝縮された言葉でした。
それは「まねぶ」。真似ると学ぶをあわせて作られたような言葉ですね。狂言の内藤連先生から教えていただきました。教えを受けて身につける意味だそうで、稽古の間「しっかり五感を働かせて。できるだけ物真似して。」と指導の声がかかりました。
「このあたりの者でござる。太郎冠者を呼び出だし申しつくる事がござる・・・」(狂言『痺(しびり)』より)
初めて読む狂言の台本は難しく、言葉の抑揚の山がなかなか合いません。先生のお手本を塾生達はみんな必死で思い思いにメモをとりました。
しかし、時にはどうにもならない時も!鳴物の稽古は「まねぶ」以前の問題対策でした。
低学年のグループは鼓をずっと支える筋力がなく、鼓の重さに負けて楽器を構える位置がどんどんずれていきます。藤舎千穂先生はあえてこの日、低学年グループを高学年グループと交替させず筋力アップの為にずっと鼓を打つことに挑戦させました。最後はみんなクタクタになりましたが、何とかやりきりました。考えると鼓を50分も打てるなんて、日常では考えられない贅沢な時間ですね!
先生方の真剣なご指導に、一瞬も気が緩められない真剣勝負の稽古がこれからも続きます。