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第28回松尾芸能賞


受賞者の方々と松尾理事長

大賞受賞の江守徹さん

大賞 演劇 江守 徹 平成18年11月に、シアター1010でエドモン・ロスタン作「シラノ・ド・ベルジュラック」のシラノを23年ぶりに演じたが、長年に亘って培った朗誦術を駆使して剣客にして詩人、科学者にして武人というシラノの多面性を表現、また多彩な演技力で古典的ロマン劇の特色を持つこの作品の魅力を満喫させた。
優秀賞 文楽 豊竹咲大夫 国立劇場文楽公演「仮名手本忠臣蔵」九段目、セルリアン能楽堂の「二つの俊徳丸」公演における「摂州合邦辻」において、充実した義太夫節を演奏した。共に大曲であるが、著しい進境によって水準の高いすぐれた演奏になり得た。少年時より豊竹山城少掾に入門して修行を続けてきた成果が実ったものといえるであろう。
優秀賞 舞踊 藤間藤太郎 日本舞踊・藤間流を代表する女流舞踊家として、その恵まれた容姿と的確な表現で永年活躍し、門弟も多く、絶大な人気を有す。平成18年11月の自己のリサイタルでは、昭和55年に発表された「豊後道成寺」の華やかな清姫を、清元の名曲「隅田川」では子供を失くした母親・班女の前を情感たっぷりに演じ、多大な感動を与えた。
優秀賞 民謡・歌謡 山本謙司 津軽民謡・南部民謡を得意とする、民謡会の実力者で、全国各地での舞台活動の傍ら門下生の育成に励む。平成9年には、歌謡曲「津軽慕情」を発売、平成17年徳間ジャパンから再レコーディングし、発売後大人気となる。現在、通信カラオケで20万人の人達に歌われ、CD売上も5万枚を超すなど、地道な努力が実りその魅力を遺憾なく発揮した。
新人賞 演劇 市川春猿 新進女形として活躍中だが、とりわけて平成18年7月歌舞伎座の泉鏡花作品では、「夜叉ヶ池」の白雪姫と百合の二役、「天守物語」の亀姫で好演したほか、「當世流小栗判官」のお駒、「雪之丞変化2006」のお初などで独自の魅力を示して、その美しさを開花させた。また「車引」の桜丸にも力倆を見せて将来性を感じとらせた。
新人賞 歌謡 竹川美子 平成8年兵庫県加古川での「阪神淡路大震災復興チャリティカラオケ大会」にて、大阪有線の戸塚満氏に出会い、作曲家の叶弦大氏に紹介され、認められる。平成9年より叶先生に師事、内弟子を経て、平成15年「江釣子のおんな」でデビュー。20万枚を超えるロングヒットとなり、今もなお歌われ続けている。また、平成18年9月発売のシングル第3弾「雪の海峡 津軽」は、「第48回日本レコード大賞・日本作曲家協会奨励賞」を受賞するなど、低迷する歌謡界において、久々に新人ながらヒット曲を連発し、より一層の飛躍が大いに期待できる。
特別賞 演劇 浅香光代 第二次大戦後の女剣劇隆盛を築いた一人として長年活躍し、その女剣劇が退潮したあとも座長として公演を続けてきた。長年浅草を中心に活動してきたが、雷5656会館における新春公演を19年にわたって継続させてきた。その間「瞼の母」「一本刀土俵入」「沓掛時次郎」など大衆的な名作を演じた努力は貴重である。
功労賞 能楽 山崎有一郎 長年にわたって能楽評論家として活躍してきたが、横浜能楽堂開場以来の館長として、充実した企画を立てて能の魅力を掘りおこした。平成18年開館十周年記念には「翁付五番立」の公演に続いて「江戸大名と能・狂言」を6回にわたって上演、復曲作品・復元演出など新風を吹き込んだ。能楽界の最長老として貢献度は高い。
功労賞 演芸 稲葉守治 長きにわたり「日本演芸若手研精会」を主宰し、二つ目の噺家のなかから有望の若手を自ら選び、芸の修業の場と機会を提供し、平成18年夏「三百回記念の会」を催した。この間、優れた落語家を世に送り出すことに専ら心を砕き、ひたすら演芸界の発展向上に尽力してきたもので、その功績はきわめて大きい。