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第27回松尾芸能賞



大賞 歌謡・演劇 小林幸子 古賀政男先生に認められ、10歳でデビュー。幾多の苦難を越え、希望を捨てず、その頑張りが今、輝きを見せている。歌にも芝居にも誠実さが込められている小林幸子は、松尾芸能賞大賞にふさわしく、それに加えて人の心の痛みを慰める、中越地震被災者への励ましの姿に感動を覚えた。
優秀賞 演劇 夏木マリ 平成17年は演劇、テレビ、コンサートと多岐にわたり活動、その中でも演劇「弱法師」の家庭裁判所の調停委員桜間級子、「天保十二年のシェイクスピア」のお里、テレビ「義経」の丹後の局役、レクチュア・コンサート「ベルリンでのクルト・ワイル」の解説、歌唱は目をみはるもので、おのおの圧倒的な存在感を示した。
優秀賞 演劇 島田歌穂 子役でデビューして30年。平成17年はミュージカルの舞台での活動が顕著で「レ・ミゼラブル」「江利チエミ物語」「Freddie~少年フレディの物語~」などに出演した。特に「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役は初演以来の当たり役で2000回達成の記念公演でも熱演し他の追随を許さぬ感動を与えた。
優秀賞 邦楽 富山清琴 地歌本来の上方の香りが薄れつつある現在、人間国宝の父富山清翁の地歌箏曲の芸をよく継承し、すぐれた音楽性によって地歌の芸風を伝える貴重な演奏家である。富筋に伝えられた稀少な曲も伝承し、地唄舞の地方としても不可欠の存在であり、また教育や創作にも力を発揮している。
優秀賞 歌舞伎・タテ 尾上菊十郎 歌舞伎の立廻りの場面を考案するのがタテ師の役割であるが、尾上菊五郎劇団のタテにすぐれた技法と良きアンサンブルを示して、復活狂言「児雷也豪傑譚話」(平成17年11月新橋演舞場)で効果をあげた。別に、脇役としても長年培ってきた芸を深め、歌舞伎を充実せしめる一員としての不可欠の存在として活動を続けている。
新人賞 演劇 片岡愛之助 平成17年正月の浅草歌舞伎で「封印切」の忠兵衛、八右衛門を演じ分けたのをはじめ、4月国立劇場の「本朝廿四孝」では偽勝頼と本物の勝頼を気品高く演じて歌舞伎花形としての華と実力を発揮した。そのほか大阪松竹座の花形歌舞伎、博多座の歌舞伎公演でも芯になる大役を演じた。一方、明治座の「五瓣の椿」、三越劇場の「狐狸狐狸ばなし」、大阪の「平成若衆歌舞伎」など多彩なジャンルの舞台に出演した。その充実した活躍は松尾芸能賞の新人賞に相応しく顕彰する。
新人賞 舞踊 花柳錦之輔 祖父花柳壽楽、父二代目花柳錦之輔に師事して日本舞踊の道に進み、平成17年度の第八回「花柳錦之輔・花柳典幸勉強会」における「綾の鼓」、弟典幸と共演の「伊勢参宮」などですぐれた成果を示した。一方、映画、舞台、テレビ、宝塚歌劇団の振付などにも才能を生かし、その多角的な活躍は将来を嘱望せしめている。
特別賞 邦楽 宮原千津子 現在の箏曲の直線的な祖である筑紫箏は、すでに絶えたとされてきたが、宮原氏は最期の伝承者の村井れいから直接に五曲を習われていた。本来すぐれた箏曲家であるため、短期間の習得にもかかわらず、筑紫箏の音楽的特徴や気分まで身につけた貴重な存在である。
研修助成賞 演劇 みつわ会 「みつわ会」は1978年に演劇集団円の有志で発足した久保田万太郎勉強会を母体に、1997年に幅広い演劇人の参加を求めて結束した会で、久保田万太郎作品の上演を通して人情、詩情、日本語の美しさなど今失いかけている日本人の心を伝えることを目指して、現在まで9回に亘って19作品を上演してきた。地味だが意義のある活動で松尾芸能賞に相応しく研修助成賞として顕彰したい。