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第26回松尾芸能賞



大賞 演劇 十朱幸代 数少ない商業演劇の座長として、約30年の長きにわたって「芸術座」を中心に多彩な女性を演じ、的確な演技と華やかな芸風で魅力的な舞台を創り出した。平成16年は「プワゾンの匂う女」で現代の悪女、「あかね空」で江戸時代の商人の女性と全く対照的な二つの役で優れた演技を示した。
優秀賞 演劇 中村メイコ 二歳でデビューして以来、長年の芸能活動は映画、ラジオ、舞台、テレビと多岐にわたるが、そのなかでも近年は俳優としての熟成が認められ、舞台「阿修羅のごとく」の母ふじ、「ねずみ小僧 危機一髪!」の母おときに奥行きが示されていた。とりわけてその喜劇的演技は卓抜した持ち味としてすぐれた才能が生かされている。
優秀賞 邦楽 鳥居名美野 山田流箏曲のもっともすぐれた演奏家の一人。箏、三弦はもちろん歌もきわめて安定した実力をもち、海外での教育普及活動にも成果をあげてきた。またひじょうに研究熱心で、箏曲の古典である組歌を長年研究し、山田流、生田流の各派を問わず広く中堅若手の演奏家に呼びかけて指導し、毎年その成果を発表して箏曲家に貢献している。
優秀賞 舞踊 橘 芳慧 第十七回「橘 芳慧の会」において、秀作「江戸蛙」の再演、新作「大河の一滴」などを創作してすぐれた活力ある舞踊を演じた。父 橘抱舟が創流、母 橘裕代が受け継いだ日本舞踊橘流三代目家元を継承、古典と新作にその歯切れよい芸風を生かして振付けし、熟達した舞踊を長年にわたって充実させてきた。
優秀賞 能楽 関根祥人 能観世流のシテ方として、早くから優れた演技を示してきたが、平成16年、自己の会「花祥會」の第10回記念、独立五番能は8時間にわたって「養老」「清経」「半蔀」「歌占」「小鍛冶」のシテを勤めた。気力、体力を費やす意欲的な会で、特に「小鍛冶」は重厚で緩急のある演技で実力を遺憾なく発揮した。
新人賞 演劇 市川段治郎 スーパー歌舞伎「新・三国志Ⅲ・完結編」の謳凌役を師市川猿之助に代わって主演したのを契機に「桜姫東文章」の清玄・権助の二役「梅ごよみ」の丹次郎などの大役に抜擢された。いずれも着実に演じて大きな成長を示し、今後への期待を高めた。国立劇場歌舞伎俳優研修生の出身で、門閥以外からの新しい星として嘱望されている。
新人賞 邦楽 田中傳左衛門 歌舞伎座「茨木」で十三代目家元田中傳左衛門を襲名、歌舞伎囃子方として活動を順調に進めている。一方、「古典邦楽の会」別会として発足した「囃子の会」第四回では、「勧進帳」を迫力有る演奏で聞かせ「三響會」も開催して、能の囃子の研究も行うなど積極的な活動を示した。その行動性と情熱は将来を期待される。
特別賞 音楽 大石昌美 ハーモニカ人生60周年を迎える。九州朝日放送で「なつメロとあなた」という毎日の帯番組を続け、60歳を過ぎてプロ演奏家を目指し、上京。以来短期間にシリーズで多種の新録音CDを発売、ハーモニカブームを招来する。フィリピンの子供達にハーモニカ5000本をプレゼント、“ドレミファ大使”と呼ばれて海外公演も多くこなし、国際親善を図る。大活躍の様子は高齢者の心の励みになっている。
功労賞 伝統芸能 田邊孝治 昭和28年に故田辺南鶴師が創刊した月刊「講談研究」誌を昭和43年以降編集人、平成9年からは編集兼発行人として通巻600号を越えて刊行、講談界の発展向上に寄与した。また、平成10年、名人名品集「講談 黄金時代」(CD6枚組等・日本コロムビア)の監修解説に才腕を奮い、後世に残る貴重なドキュメンタリーとした。
研修助成 演芸 シアターX 名作劇場 日本の近代演劇百本の上演を目指して、平成6年第一回公演小山内薫作「息子」からはじまり、平成17年1月に第二十回を迎え上演作品は四十一編に及んでいる。過去の埋もれた作品を掘り起こし、陽の目を当てていく地味な活動だが日本の演劇の歩みを検証する仕事の意義は大きい。シアターXと演出家川和孝氏の努力は並々ならぬものである。