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第24回松尾芸能賞



大賞 映画 山田洋次 「寅さんシリーズ」や「幸福の黄色いハンカチ」などの名作で、日本を代表する映画監督が新しい時代劇に挑戦し、見事な作品を創出した。江戸末期の東北の下級武士の生活を写実性と抒情性に富んだ映像で表現した。とくにたそがれの貧しい武家屋敷の描写は秀逸。殺陣や扮装など、新しい工夫が成功している。現代の厳しい日本の状況にいる観客に共感と感動を生んだ。
優秀賞 演劇 坂東竹三郎 歌舞伎の女形を中心に関西を拠点に活動。後、市川猿之助一座を経て、現在は数少ない貴重な脇役として活動をしている。花車方、老婆役に独特の持ち味で芝居を盛り上げている。特に平成十四年は二度にわたって国立劇場「仮名手本忠臣蔵」六段目母おかや役で充実した演技を示した。
優秀賞 演劇 清元美治郎 清元節の三味線方として曲目毎の特色を的確に把握した優れた演奏で観客に感銘を与えている。また数多くの舞踊作品や、国立劇場特別企画公演の委嘱作品「螢沢」をはじめ多くの演奏曲の作曲に実力を発揮する一方、国立劇場養成研修の講師として広い分野で後進の指導、育成に力を尽くしている。
優秀賞 舞踊 佐藤太佳子 琉球舞踊は今や女性舞踊家によって支えられているが、なかでもその活躍はめざましく、今年度はリサイタルを2回行い、芸の見事な円熟ぶりを示し、大成功を収めた。その踊りは歌の内容を深く理解し、それを琉球舞踊特有の抑制された古典的表現様式の中に美しく清らかに表現している。また創作活動でも大きな成果をあげている。
優秀賞 演劇 石川耕士 歌舞伎の台本は上演のたびに補綴されることが多く、原典の長所を生かしながら、現代のニーズに合わせて改訂されている。これまでに「金幣猿島郡」「加賀見山再岩藤」など猿之助十八番の台本作りに加わってきた実績をふまえて、「南総里見八犬伝」「西遊記」「椿説弓張月」の脚本によって、すぐれたテキストレジを示し、また演出面でも実力を発揮した。
優秀賞 演劇 平野啓子 「NHKニュースおはよう日本」のキャスター、大河ドラマ「毛利元就」のナレーターで活躍する一方、語り部という独自の世界を創造し、光と音、季節の風物をまじえ、語りを舞台空間のエンターテインメントとして確立して総合芸術の域にまで高めた。その語りが評価され、舞台では「平野啓子語りの世界」が文化庁芸術祭大賞、テレビでもギャラクシー賞奨励賞受賞に結びつく等、演劇界における新分野での活躍は衆目の一致するところである。
新人賞 演劇 尾上菊之助 若手花形として古典・新作に新鮮味のある演技を見せ、とくに新作「疾風のごとく」、「上意討ち」は花の女形を感じさせた。また、立役では「寿曽我対面」の十郎、「新薄雪物語」の園部左衛門などで古典の役々にも魅力を示した。とりわけ十郎役は、團十郎の五郎に伍して緊張感の漲る好演技を見せた。
新人賞 舞踊 藤間恵都子 花柳寿南海振付「球磨川」、橘芳慧振付「湯女図」において、作品の意図をふかく読みとって的確に表現し、豊かで説得力のあるその演技は新鮮であった。また、日本舞踊協会創作舞踊劇場公演「水滔々」の振付を分担して新境地を求める意欲を示すなど、その将来に一層の期待をいだかせた。
特別賞 演劇 野村又三郎 狂言和泉流・野村派の当主として長年にわたり研鑽を重ね、名古屋を中心に精力的に活動。平成15年「やるまい会」東京公演で齢八十にして自家の幻の狂言「狸腹鼓」を70数年振りに復活初演。その洒脱で自在な表現で観客を魅了した。
特別賞 邦楽 竹内駒香 地唄・上方唄は京阪の舞には欠かせぬ音楽だが、地唄の名人菊原初子に師事して芸を修め、厳しい修行の末に今日もなお瑞々しい演奏を聞かせている。とりわけ「ぐち」「世界」など色町の情緒を漂わす曲は、他の追随を許さぬ艶やかな唄である。邦楽界・舞踊界とりわけ上方芸能伝承に長年寄与した功績はまことに大きい。
研修助成 演劇 劇団若獅子 劇団若獅子は1987(昭和六十二)年の新国劇解散の後、新国劇精神の継承を目的に笠原章が中心になって結成した劇団で、様々な苦難を克服して新国劇の名作や新しい時代劇の上演を続け、2002年に結成十五周年を迎えた。その努力と成果には目を見張るものがあり、松尾芸能賞の研修助成を贈るのに相応しいと評価した。