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第18回松尾芸能賞


大賞 該当者無し
優秀賞 演劇 市川左團次 「平家女護島」俊寛における瀬尾(平成8年11月歌舞伎座)が適役の手強さを示して傑出した演技であった。平成8年1月の「石切梶原」の大庭以来、徐々に充実度を増し、とりわけ相手役・脇役の分をわきまえながら深みのある役作りに徹し、瀬尾によって一つのピークに到達した。高く評価されるゆえんである。
優秀賞 演劇 麻美れい ハロルド・プリンス演出のミュージカル「蜘蛛女のキス」(平成8年10月・11月アートスフィア)におけるオーロラにおいて、監房にある男たちの欲望と幻想のシンボルという妖しさと躍動を鮮やかに演じて高度な舞台を造型せしめた。その存在感の確かさと女優としての力倆は高く評価できる。
優秀賞 邦楽 宮下 伸 箏と父・宮下秀冽が考案した三十絃の奏者として、箏曲、ことに現代邦楽の作品の演奏に力を注ぎ、箏に力強い表現力を与え、三十絃に新しい命を吹き込んだ。骨太な構成感と繊細な美しい音色を併せもち、極めてスケールの大きい演奏で人々を魅了している。また、作曲家としても高崎芸術短期大学教授としても大きい成果をあげている。
新人賞 舞踊 泉 朱緒里 以前から創作力、演技力があり、父・泉徳右衛門の作品にも女性舞踊家として新味のある取り組み方を見せ、注目されてきた。平成8年は7年にひき続き芸術祭で受賞しており、その河東節「浮世傀儡師」、創作楽「西鶴一代女」に抜群の成果をあげた。
新人賞 演劇 野村小三郎 和泉流狂言師として、名古屋を中心に、家に伝わるおおらかな芸風を見せ、此の一年は小三郎の名跡を継承、大曲「釣狐」や「越後聟」に優れた演技を示した。また、新作狂言や他の分野にも積極的に参加し、進取に満ちた活動は高く評価される。
新人賞 演劇 寺島しのぶ 「近松心中物語」「華岡青州の妻」のみずみずしい演技。
特別賞 落語 桂 米朝 戦後危機に瀕した上方落語を今日の隆盛に導いた最大の功労者であり、古典の復活・若手落語家の育成はもとより、「独演会」「一門の落語家」などで現代に息づいている古典落語を語り続けた。特に平成8年10月、琴平の重要文化財金丸座を背景に演じた「はてなの茶碗」は高く評価される。
研修助成 演劇 劇団東宝現代劇 七十五人の会 第11回公演、小幡欣治作・丸山博一演出「熊楠の家」(平成8年8月東京芸術劇場小ホール)において主演の横沢祐一以下全員が熱のこもった上質の舞台を創りあげた。商業演劇の骨組みとべつに会員が自主的に研鑚、努力を積み重ねてきた成果が結実したものとして今後の期待するところが極めて大である。