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第13回松尾芸能賞


大賞 演劇 森 光子 小幡欣治作「桜月記」(帝国劇場)や小野田勇作「雪まろげ」(芸術座)の11年ぶりの再演で、女優としての円熟した演技をみせた。
優秀賞 舞踊 藤間 紫 紫派藤間流舞踊会における「山姥」において、演技のしっかりとした骨格のうえに立って密度の濃い歌舞伎舞踊の格調と滋味を充分に表現した。
優秀賞 演劇 坂東八十助 秋元松代作「山ほととぎすほしいまま」(サンシャイン劇場)、新歌舞伎の「番長皿屋敷」(歌舞伎座)などで、演技の奥行きをまし、著しい成長を示した。
優秀賞 邦楽 野坂恵子 現代邦楽の初期から二十弦箏を創り、その二十弦と箏の演奏によって箏の音楽に現代的な輝きを加えた。しかしその後自らの生き方に疑問をもち、模索をつづけた後、1986年演奏を再開した。その後の演奏は作曲家伊福部昭に”鬼拉の境地にある”とさえいわせた程の飛躍ぶりで、人々の心を捉えた。また二十五弦箏を開発するなど新たな試みも行い、今後の演奏が大いに期待できる。
優秀賞 邦楽 新内仲三郎 幼少から父新内多賀太夫、叔父新内仲造の厳しい薫陶を得、新内節三味線方として修行し、冨士元派六代目家元を襲名してからは、新内節の振興に力を注ぎ、さらに、その美声を生かして弾き語りによる新境地を開拓した。「勧進帳」「仮名手本忠臣蔵」などを復活演奏しまた、新作による「爪弾き」「新内道成寺」などを作曲・演奏するなど、古典復活と新作曲に優れた成果をあげた。
優秀賞 歌謡芸能 伍代夏子 芸能界入り後、二十代半ばまでの下積み生活をばねにして、昭和62年、伍代夏子としてCBSソニーから再デビューするや、精力的にレコードセールス活動を展開し、地道にファン獲得に努め今や歌謡曲・演歌部門ではトップセールスを記録するまでになった。昨今、巷で言われる、美人歌手トリオの先鞭をつけた活躍ぶりと相まって注目度も高く、その女ごころを切々と訴える歌唱力を評価され、ここ数年の間に数々の賞を受賞している。歌謡曲・演歌部門不振と言われる中にあって健闘し、日本人の心を唱い続けてゆくその姿勢には大いに賞賛すべきものがある。
特別賞 舞踊 若柳吉駒 前橋市在住の為、東京の舞台出演は稀であるが、長年、知る人ぞ知る名手である。昨年10月の「廓八景」(満94歳9ヶ月)は、江戸吉原の風趣を”自然体”とでもいう感じに描いて絶品。高い芸境にあり、体からにじみ出るような滋味が心を打った。直派若柳流理事長の要職にある。
特別賞 邦楽 豊澤重松 旧い歌舞伎狂言の復活のための努力・協力をおしまず、義太夫狂言に対する造詣が深く、貴重な存在。また地芝居などの指導も行い、後継者の育成にも力を注ぎ、地域伝統文化への貢献が大である。
特別賞 舞台技術 佐藤金一 15才の時より、田島かつら店の創業者田島宇太郎に師事して地髪の制作を学ぶ。やがて井上正夫、北村緑郎、河合武雄等新派大幹部専門に髪の制作を担当。戦後、歌舞伎の新作狂言、舞踊等リアルな内容の表現に必要な網髪の制作に当たると共に後進の指導、育成を行っている。この道50年余年、伝統的な技法を継承しつつ格調ある技術で網髪を制作する第一人者として期界に盡した功績はまことに大きい。
特別賞 歌謡芸能 佐伯 亮 明大マンドリンクラブ在学中から音楽活動をはじめ、30有余年作・編曲家として常に第一線で活躍している。特に古賀メロディーを十分に生かした名アレンジャーとして著名であり、「悲しい酒」「柔」など後生に残る名編曲との評価を受け、日本レコード大賞等を受賞している。また、「女のみち」「命くれない」などのミリオンセラーも数多くあり、歌謡曲・演歌部門の編曲では第一人者として今日もなお大活躍を続けており、音楽に対するその真摯な取り組み方は大いに賞賛に価する。