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自分の芸にする。

ゴールデンウィークを目前にした塾生たちですが、八月の公演に向けてお稽古に励んでいます。配役も少しずつ決まり、本日は大鼓を担当する塾生の指皮の型取りを藤舎清穂先生にしていただきました。型を取り、そこに石膏を流し込み、一時間ほど待つと完成しました。仕上がった石膏の手を見て塾生たちの気持ちも高まりました。

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塾生たちは本日のお稽古に備えて家でも確認を重ねてきていました。その成果もあり「前回できなかったことができているね」と先生方や塾長先生から優しい言葉をかけていただいた子もいます。

しかし、今日は、狂言・日本舞踊・鳴物・長唄、どのお稽古でもこれまでの復習で大半の時間をつかうこととなりました。より美しく自分の芸にするにはどうしたらいいのか。見てくださる人を意識しているのか。先生方から問いかけをしていただき、その都度こどもたちは「はっ」と気がついた表情をしていました。「答えを与えるのではなく自分自身で気づかせる。」塾長先生もおっしゃっていた言葉です。学ぶということ、身につけるということは自分の力で手にすることだと実感したお稽古になったはずです。

狂言の中村修一先生には、相手がいることを意識するようにとご指導いただきました。覚えてくることに必死な塾生たちを、もう一段階すすませて下さる大切な言葉でした。狂言は対話劇なので、互いに言葉をかわし、その言葉の意味に合わせた所作をしていきます。そのことに心をおくことを忘れず、何度も体でも覚えていかねばなりません。

また、「他の人が指導をうけている時にも自分のことだと思って学びなさい。」ともご指導いただきました。『痺』では太郎冠者の足の動きができていない塾生が何人もおり、その都度丁寧に先生がお手本を見せて下さる場面がありました。自分の番ではないときにも意識は常にお稽古にむけなくてはいけませんね。

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塾生達は中村先生の言葉を真摯にうけとめ、日本舞踊、鳴物、長唄のお稽古の時間には実践することができていました。心も磨き、本物に近づいた芸ができるよう日々精進していきましょう。