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第20回松尾芸能賞


大賞 演劇 蜷川幸雄 大劇場演劇として「近松心中物語」「元禄港歌」「にごり江」が再上演され、大きなる刺激的舞台となったほか、彩の国さいたま芸術劇場においてシェイクスピア全作品上演をスタートさせ、「ロミオとジュリエット」「十二夜」を上演、また英国で「ハムレット」を上演して好評を博すなど、演出家としての充実を内外に示した。
優秀賞 演劇 片岡秀太郎 平成9年から8月に大阪・中座で「関西歌舞伎中之芝居」を主宰し、埋もれていた上方狂言の復活を試み、平成10年は「狐静化粧鏡」を上演して大きな成果を挙げた。さらに近松座公演「けいせい壬生大念仏」のみよの役で元禄歌舞伎の女形芸を復活して見せた演技は高く評価される。
優秀賞 文楽 吉田簑太郎 優れた資質、環境に恵まれ、研鑽を重ねて30余年。文楽・人形部門の中堅として抜群の実力を示している。平成10年度には「生写朝顔話」の萩の祐仙、「仮名手本忠臣蔵」の平岡平右衛門、小浪などに注目される成果をあげた。
優秀賞 邦楽 青木鈴慕 琴古流尺八演奏家の第一人者。本曲はもちろん三曲でもきわめてすぐれた演奏によって人々に深い感動を与えている。演奏の機会が非常に多いにもかかわらず、常に真摯に全力で演奏し、現代邦楽にも意欲的に取り組んで大きな成果をあげてきた。まさに尺八音楽の真髄をひきつぎ、その伝統を現代の音楽として展開させている功績は大きい。
優秀賞 歌謡 川中美幸 ポップロックに押され続けている演歌歌謡曲の中で、平成10年度はひとり気をはき、「二輪草」をヒットさせる活躍を見せた。22年間第一線で頑張って円熟味を増した歌唱力を評価したい。
新人賞 邦楽 杵屋直吉 近年劇場音楽としての長唄界は若手の進出が顕著である。丁度ベテランと言われる方々との世代交替の時期でもあるのだろう。その中でも杵屋直吉を立唄とする連中は(ワキの日吉小間蔵を含め)、美声揃いで、歌舞伎の舞台を華やかに盛り上げている。主に坂東玉三郎の舞台が中心だが、真摯な姿勢に好感が持てる。
新人賞 歌謡 門倉有希 デビューして5年、途中の挫折にもめげず、再起して頑張り、平成10年度は「ノラ」をヒットさせ注目を浴びる。最近不振の新人の中では出色である。
特別賞 演劇 音羽菊七 昭和35年に子役の演技指導をはじめて以来、とくに歌舞伎の子役を育て、2,000人を超える人材を舞台に送り出してきた。こどもの躾が問題となっている今日、礼儀正しい子役を育成して、歌舞伎の舞台を整然と格調あるものに仕立ててきた陰の功労は、余人をもって代えがたい貢献を果たしてきた。
特別顕彰 演劇 島田正吾 明治38年12月13日生まれの93歳。辰巳柳太郎と並び「新国劇」の両輪であったことは論をまたない。新国劇の解散、辰巳の死去後も師・沢田正二郎の精神を受け継ぎ、「ひとりの芝居」としてその財産を守っている。その長い俳優生活は類稀な研鑚と強靱な身体の賜物であろう。