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第16回松尾芸能賞


大賞 演劇 松本幸四郎 蓄えられた経験と的確な演技により年間を通して大役・初役を含めた活躍が顕著であり、歌舞伎の代表的立役である「勧進帳」の弁慶、「関の扉」の関兵衛、またシェイクスピアの「オセロー」は高く評価される。
優秀賞 演劇 平幹二朗 シェイクスピア劇に情熱を燃やし、「ヴェニスの商人」「オセロー」など厚みのある演技で演じられると共に、一人芝居「親鸞」に挑戦するなど、年間を通して精力的に充実した俳優活動を積み重ねてこられたことは、高く評価される。
優秀賞 邦楽 宮田哲男 音域も広く、稀にみる美声といわれてきたが、もともとの芸熱心に加えて、近年は特に心技ともに充実し、表現のスケールも大きくなり、名実ともに長唄唄方の第一人者にふさわしい風格も見せている。特に杵屋五三郎監修及び三味線演奏の、CDによる長唄の大全集「長唄の美学」では、全曲を独吟で通す試みに挑み、大きな成果をあげている。
優秀賞 能楽 梅若六郎 能シテ方として豊かな感性と的確な演技により年間を通して活躍が顕著であり、特に新解釈による「土車」の再生と「能劇の座」における「樒天狗」「松山天狗」の復曲は高く評価されるものである。
優秀賞 演劇 藤山直美 演劇界に大きな足跡を残した祖父・秋美(関西新派)父・寛美(松竹新喜劇)のあとを受け、その天性の勘のよさと、的確な演技で、ここ数年、テレビ・舞台両面にわたっての活躍がめざましい。将来、東京・大阪両演劇界を支える大樹に育つであろうことへの期待もこめて。
特別賞 文楽 吉田玉男 上品で端正な芸風。研究熱心で役の性根をよく把握し、立役としての演技は、文楽人形の代表者として、近年ますます充実してきた。平成6年8月には、「曽根崎心中」の徳兵衛1000回上演の記録を達成している。
特別賞 歌謡芸能 二葉百合子 60年という長きに及ぶ芸能生活の中で常に第一線で活躍し、中でも戦争がもたらす不幸と平和への願いを歌った「岸壁の母」「靖国の母」は社会的にも話題になるなどその芸道に対する姿勢は高く評価される。
新人賞 演劇 中村橋之助 初役の多い大役を深く追究し、若手らしい生彩ある演技により年間を通してその活躍が顕著であり、コクーン歌舞伎「東海道四谷怪談」の伊右衛門、「土蜘」の叡山の僧智籌 実は土蜘の精は高く評価される。
新人賞 舞台美術 金井勇一郎 歌舞伎をはじめとする海外公演のテクニカル・ディレクターとして豊かな経験と創意工夫で見事にその任務を果たすと共に、新しい演劇の領域でも舞台美術家として「ファルセット」に示されるような斬新な感覚で優れた才能を示した。
新人賞 歌謡芸能 藤原浩 近年低調と言われる歌謡界にあってよく努力し、数少ない男性新人歌手のホープとして多くのマスコミの注目を浴びる等、今後の活躍を期待されている。