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基本を忘れずに

 

「お三味線の扱い、唄い方、姿勢をもう一度、基本の確認をしながら今日はお稽古をします。」長唄のお稽古を始める際に、東音布施田千郁先生が塾生たちに声をかけてくださいました。男子は右手に白扇を持ち、肘を張り堂々とする。女子は膝の上で白扇を持ち、肘をはらない。息継ぎも自分のタイミングではなく譜面通りにする。

これまでも狂言の謡・長唄・鳴物のお稽古で、姿勢、美しい姿で構え、演奏することと指導を受けてきましたが、唄うこと、演奏することに精一杯でなかなか姿勢に注意することが出来ず、体が曲がったり、膝の上で白扇をモジモジいじったりしてしまいます。しかし、舞台に立たせていただく以上、身に着けていかなくてはなりません。

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お稽古の最後には、声量が足りない塾生や安定しない塾生の様子から腹式呼吸の仕方をご指導してくださいました。「鼻から息を吸いお腹を膨らませ、口から息をはく。その時にお腹から空気を出すようにする。はくときに『えー』と声を出す。」お手本を見せ、全員を確認して下さいました。塾生たちが知らないことは多く、今日のように先生方の芸を真似して、学んでいかなくてはなりません。どうして先生方は美しくハリのある声を出せるのか、自分とは何が違うのかを自ら気づいていけるようになることを期待しています。

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本日より塾生たちや保護者の方発信で『自主お稽古』がスタートしました。公演が近づき、自分たちの芸を高めようという意識からでてきたことです。期待や不安を抱くのは、自分を見つめ努力を重ねているからです。『自主お稽古』が自身の課題に気がつき、塾生同士で学び確認しあう場となれば、次回のお稽古はより充実したものとなります。公演という目標に向かって全員が協力することは大切です。開塾してから9か月、松尾塾にも一体感が芽生えてきました。“つもり”ではなく“本物を求める”お稽古にしましょう。

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